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fujitake works 雑記帖

淘汰される時代へ

独立時から使ってきた厚物用ミシン。
最近のか、いつからか縫い目の調子が悪く困っていました。
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買い替えも考えていたので以前から気になっていたミシン屋さんへ。
古いミシンから最新のミシンを見比べてましたが、
やはり武骨な古いミシンの方が圧倒的に好みでした。

以前は性能の良い日本製の中古ミシンは海外でも人気があることは知っていましたが、
最近は中国製も性能がよくなり価格も安い為、多くの工場では中国製のミシンが出回っているとの事でした。
何社かあった日本の工業用ミシンのメーカーもどんどんなくなり、一社に統合されてしまったとの事です。

需要と供給のバランス、下降する国と上昇する国の違い、人口の違い、変わらない日本の政治。

人工も経済も拡大していた時代から人口も経済も下降していく時代です。
多くの分野で同じように強いところに淘汰されてしまうことでしょう。
そうなると競争はなくなり、そこから言い値で購入するしかありません。
選択肢があるというのは健全で大切なことなんだと気づかされました。

調子の悪かったミシンはというと、ミシン屋さんで新しいボビンを買い交換したところ
嘘のように綺麗に縫うことが出来ました!
結果、今までいじょうの愛着が湧くミシンに復活。これからも大切に使っていきます。
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蘇ったミシンで縫製した椅子敷き
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  1. 2023/09/13(水) 22:26:34|
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7年ぶりに

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打合せで近くにいくことになり久々に洪庵キャンプ場へ。
子供達が小学生の頃は家族で毎年訪れていた思い出の地。
約7年ぶりでしたが、おおきな変化はなくソロキャンプを楽しみました。

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日中は晴れていた空が夜に近づくにつれ悪天候に。
一瞬の晴れ間に綺麗な富士山が撮影出来ました。
翌朝は朝から止まない雨、久々の雨撤収で大変でした。
  1. 2023/09/04(月) 21:56:33|
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univasal stool nume

ニ年半前に友人が始めたアウトドアとデザインを基軸としたプロジェクト  wanderout_official.

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私はヌメ革のスツールを不定期に製作しています。
今回は製作風景を紹介させて頂きます。

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椅子張り用のヌメ革を両面使用し、伸び止めのターポリンを挟んで接着。端を全周縫製し、木口を全周磨きあげます。

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縫製後、手縫い仕上げ用の下穴を1つづつ目打ちであけていきます。

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フレームと革を手縫いで合わせて仕上げます。

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製作風景。

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上は新しいモノ。下は二年半使用したモノ。
オイルも塗らずに良い感じに経年変化して育ってきました。

シンプルなフレームに合わせ工業製品に見えるよう意識しながら、ローテクな手作業で仕上げています。
これからは手作業を上手に取り入れ、工業製品にはだせない手作業ならではのムラや質感を大切にし、愛着のわく作り方が大事になってくるように思います。
  1. 2023/05/27(土) 10:07:11|
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ジャパニーズモダン(天童木工)

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ATELIER MUJI GINZAで開催中の展示「JAPANESE MODERN」展へ。
1940年代~1960年代のミッドセンチュリー期に日本で生まれた名作椅子が展示され、多くの椅子に実際に座ることが出来る貴重な機会となっています。
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日本では身近にある素材の竹。竹を上手に用いた椅子が多くみられました。
戦後の日本では主に畳での生活でしたので、畳ずりと呼ばれる脚の形状も日本ならではの特徴です。
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ジャパニーズモダンを語る時に無くてはならない会社、天童木工。
天童木工で多くの名作椅子の開発に携わってこられた菅澤光政さんのトークイベントに参加してきました。
著名な建築家、デザイナーの方々との名作椅子誕生の開発話をはじめ、北欧の椅子から大きな影響を受けた事や、小さかった天童木工が日本を代表する家具メーカーになるまでの事など。貴重な経験を思い出しながら丁寧にお話くださいました。
画像は菅澤さんが製作した1/5スケールの完成度の高い椅子の数々。
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1900年代以降、多くのモダニズムデザインが日本にはいってきました。
第二次世界大戦で多くの技術が開発され、その一部は戦後、家具製造の技術に用いられています。
日本の高度経済成長にあわせて多くの建築が日本中で建てられ、その建築に合わせて多くの名作椅子が生み出されました。
建築家やデザイナーは次々と建てられる建築物に合わせ新しい家具をデザインし、家具メーカーは新しい技術や素材を用い挑戦し、良いモノを作ろうと努力し作り続けていました。今とは違い、全てが変わり全てが足りなかった時代です。

ようやくジャパニーズモダンと言われ見直され始めていますが、多くの名建築が壊されてきたように、数多くの椅子もゴミとして処分されてきました。
作り手の方々は名作椅子になることなど考えもせず、ただひたすらに良い品質の製品を作ることだけ考えていたと思います。
張替えをしていても日本製の椅子の技術の高さ、作りの綺麗さを実感しています。
ジャパニーズモダンを通してこれからの日本の家具を見なおす良いタイミングだと思いました。
西欧の物真似ではなく日本の風土に合った素材と形。
使い捨てではなく張替えて使い続ける暮らしへ。
  1. 2023/05/02(火) 21:00:35|
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エッグチェア

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フリッツハンセン社製、エッグチェアの張替え。
SASホテルの為にデザインされ、発泡ウレタンという新技術を用い誕生した名作です。
フォルムを出すため、表生地は接着張りになっています。
下地のウレタンを全て剥がして作り直しました。

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裏面は全て手縫い仕上げになっています。
小さな曲げ針にて一針一針、縫い進めていきます。

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今回はオットマンもセットで張替えました。
何も無い状況から新しい技術を用い、この複雑で美しい形状を生み出す事の出来る
ヤコブセンという方は本当に凄いデザイナーだと思います。
セブンチェアもそうですが、一番最初に誕生したモノを未だに超えることの出来ない完ぺきなフォルム。
タイムマシーンがあるなら戻って作り手とてお話してみたいです。
  1. 2023/03/13(月) 08:39:28|
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